葬儀での始めの儀式は通夜

日本の約8割を占める仏式の葬儀では、通夜と告別式を行います。通夜は、故人と過ごす最後の大切な時間です。最愛の人や身近な人の死はなかなか受け入れられないもので、通夜ではこのような遺族の心情を大切にする時間となります。

通夜は僧侶の読経が始まると、喪主、遺族、親戚から順に焼香をします。続いて来賓、仕事関係、友人など、弔問客が焼香台に立ちます。人数にもよりますが、1時間以内にはこの儀式は終わり、喪主や遺族と故人の最期や生前を語ったり、控室で通夜ぶるまいを受けます。通夜ぶるまいは、斎場まできてもらったお礼、お世話になった方々への感謝の気持ちと故人の供養をかねて、お酒やお茶をふるまいます。都会はお酒のふるまいが多く、地方はお茶とお茶菓子が多いようです。食事券をふるまいとして渡すケースもあります。この通夜ぶるまいは数時間行われますが、喪主と遺族は遅れて参列する人のために祭壇付近で待機します。久々に会う人たちとの交流も嬉しい時間となりますが、遺族は精神的にも肉体的にも疲れているので、ほとほどに退散することも必要です。都合で通夜に遅れてくる人もいるので、祭壇はそのままの状態で、ロウソクの火も灯したままにします。

通夜に参列してくれた人たちが帰ってからようやく家族や近しい親戚、友人だけの静かな時間となります。故人との思い出を話し、泣いたり、ときには笑ったりと、荼毘の中の故人が寂しくならないように、必ず誰かが斎場内で一晩を過ごします。

昨今は死の当日に仮通夜を行い、遺族や近しい人たちだけで故人を見送るケースもあります。葬儀、告別式の前日は本通夜で一般的な儀式をします。平日の昼間に葬儀、告別式となると仕事やそれぞれの都合で参列できないことが多く、通夜でお別れを済ませる人がほとんどです。そのため、通夜で葬儀、告別式並みの儀式を行うケースもあります。一昔前の通夜は、祭壇も簡素なもので、翌日の告別式で豪華に飾っていましたが、近年は通夜がメインとなっているため、告別式と同じような飾りつけをしています。